プレジデント社主催のセミナーに参加しました。臨済宗の全生庵というお寺の住職が講師役。
こういうホームページを見ていると、寺と言えどもちゃんとマーケティングしないといけないんだなと思います。神田明神も商売上手ですが、時代に即して、ニーズにこたえる。さすが。
般若心経についての知識
これはもう、世の中にさんざんあるのですが...コンパクトにまとまっているのはNHKの教材かもしれません。
https://www.nhk-sc.or.jp/han/pdf/hannyashingyou.pdf
で、講師の方もおっしゃっていましたが般若心経というのは短いけれども、様々な概念が詰め込まれていて、理解しようと思ったら90分の講義が10回くらい必要になるのだとか。
セミナーでは、最初のタイトル「魔訶般若波羅密多心経」の10文字を解説するだけで30分くらいかかってました。「仏説」が付くかどうか、「魔訶」「般若」「波羅蜜多」「心」「経」とは、などなど。NHKの教材を見ても、この10文字の現代語訳がこんなことに。
偉大にして深妙なる(魔訶)
その最も肝要なる(心)教え(経)
こりゃ大変だ。
ここでは、主に「知恵」と「智慧」の違いについて教わりました。前者は後天的に身に着けるもので、後者は生まれながらのもの。すべての人は智慧を授かっているが、その意味に気づいている人と気づいていない人がいる、とのこと。悟りへの道は遠い...
色即是空 空即是色
時間が限られている中で、住職が教えてくれたのは有名なこの部分。読経の際は「しきそくぜーくう くうそくぜーしき」と読みますので、住職も自然に「ぜーしき」と発音されていました。
お経のこの部分、実は4つセットの後半であるとのこと。4つのセットとは
色不異空 空不異色 色即是空 空即是色
の4つです。
「色」とは形あるものすべて、「空」とは無我の境地...有るような無いような。
この世は諸行無常、常に変化し続ける。言葉にした途端に、もう存在が消えている。シュレーディンガーの猫?
心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖
罣礙というのは差し障り、恐怖とは不安のことで、空を理解する智慧の実践を通じてこれらがなくなるという有難い部分。
しんむーけーげー むーけーげーこー むーうーくーふー
と、読んでいきます。おんりーいっさいてんどーむーそー、と続いてひと段落。
呪文のパート
ラストのマントラ。「ぎゃーてーぎゃーてー、はーらーぎゃーてー、はらそーぎゃーてー、ぼーじーそわかー」って何、といってもオマジナイなのでそのまま覚える。
羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶
おん あぼきゃー べいろしゃのー まかぼだらー まにはんどまー
じんばら はらばりたや うん
(智山派とそれ以外で真言の唱え方が違うとは知りませんでした...)
まとめ
というわけで、たまには正座して読経するのも良いのではないか、と思った時には一番短くて功徳有難き般若心経が良さそうです。四国でお遍路するときには、1か所当たり2回読みますし、教養として読めるようになっておくと良いなぁと思いました。