私はエアコンと言えばダイキンばかり使っているのですが、ちょっとパナソニックに浮気したので、比較してみます。価格の安い、2.2kW機です。結論を先に言うと、浮気はするもんじゃない、ということになりました。はっきり言って失敗。
エオリア CS-220DFL
ダイキン S22WTESと比べると、良い点・イマイチな点を列挙すると下記のようになりました。製品ページはこちら。
インバーター冷暖房除湿タイプ ルームエアコン CS-220DFL 商品概要 | 住宅設備用エアコン | Panasonic
良い点
イマイチな点
- 消費電力の絞り込みが甘い(約250Wまで)
- 除湿が弱い
- 停止した後の内部クリーン運転が長い(約90分)
- 内部クリーン運転中の消費電力が大きい(315W)
- 内部クリーン運転中は室内機が暖かくなる(39度くらい)
今回は価格と室外機の薄さ・静かさで選定したのですが、全体的な満足度はイマイチでした。特に除湿が弱いのが厳しい。こういう細かいところは、特にベーシックな機種だと、なかなかレビューされないのですよね。あらかじめわかっていたら、選ばなかったのに...(と思いましたが、価格コムに悩み相談がありました。しまった、先に読んでおけばよかった...)
ということで、以降、イマイチな点を説明します。
消費電力の絞り込みが甘い
エアコンのカタログを見ると、「期間消費電力」とかAPFとかの値は、どのメーカーも大体そろっています。今回購入したエオリアも、APF5.8, 期間消費電力量は 717kWh で、ダイキンの同クラスと同じになっています。が、たぶん、うちで使うとダイキンより消費電力が大きくなりそう。
ダイキンの消費電力パターンは以前調べましたが、だいたい設定温度に到達すると100W~140Wくらいで安定します。このとき湿度は60%強でしょうか。設定温度28度でちょうどいいので、省エネにも貢献。
同じように、エオリアの消費電力を調べてみると、能力をいっぱいに絞っても 250W くらいまでにしかなりません。250Wくらいで冷風→8Wくらいで送風→250Wくらいで冷風、の繰り返しになります。アバウトすぎる...ダイキンのこまめな制御、実は素晴らしかったんだなぁと実感しました。
エオリアが消費電力的に凶悪なのは電源を切ったあと...なのですが、これは後程。
除湿が甘い
ついで、除湿の甘さです。
ダイキンのベーシック機は、だいたい28度設定にしてつけっぱなしにしておけば快適なのですが、このパナソニック エオリアは28度設定だと快適になりません。27度設定だとまぁまぁかな、と言うところなのですが、湿度が下がらないので、涼しさが今一つ。結局、26度設定にしないと快適にならないのです。
除湿能力が弱い点はメーカーも認識しているようで、「設定温度を下げろ」とのこと。いや、それだと寒くなってしまいますよね。価格コムの相談を読んでいると「24度設定で」「いや、寒くてたまらん」なんて、マンガみたいな議論をしています。
メーカーさんは、なんか小難しい理屈で説明していますが、ダイキンのエアコンならこんな説明を聞くまでもなく快適なんですけどね...
おそらく、これは上の「能力を絞って運転するのが苦手」というところから来るものだと考えています。冷媒を冷やす時間(250W運転)が短いため、除湿されたさわやかな風が出てくる時間も短くなっていて、単なる送風のときは湿度の高い、まったりした空気が出てくるわけです。残念ながら、あまり快適な感じがしません。
結果として、設定27度だと、設定温度到達時の部屋の湿度は70%をちょっと切るくらい。これどうなんでしょうね。
ちなみに、それなりに湿気のある日に「除湿」と「冷房」を試してみたときの温湿度グラフがこちら。驚いたのは、冷房を続けるうちに、洗濯物を室内に置いていた時と同じくらいの湿度になってしまうこと。いったいこれはどうなっているんでしょうか??
なんで冷房運転中に湿度が上がるのか、とても不思議です。ドレンパイプから上がってくるんでしょうか?メーカーが言うように、快適に過ごそうと思ったら設定温度を26度あたりまで下げるしかないので、設定温度28度で快適なダイキンエアコンと比べると、電気代アップは間違いなさそうです。カタログスペックが同じでも、これは大きな差になりますね。
内部クリーン運転の罠
最後に、「えーーーっ」と思うのが、この「内部クリーン運転」。設定でオフにできるといっても、中がカビ臭くなるのは嫌ですから、当然オンで使いますよね。
でもこれ、送風だけかと思っていたら「暖房」を併用するんで、結構電気食うんですよ。悩ましいです。メーカーさんもその辺良くわかっているようで、隠しコマンドみたいな操作でオフにできることを案内しています...が、どうなんでしょうね。カビ臭さをとるか、電気代を取るか。
ちなみに、どれくらい電気を食うのか?と思って計測すると、答えは、315W。えっと思う位の、電気食いです。観察していると、こんな風に動きます。
- まず送風(15分くらい)
- 暖房運転(30分くらい)
- あとは送風(15分~30分)
暖房運転中は、当然ですが、室内機が暖かくなります。ラジエータの温度を測ったら、38.5度となりました。結構な暖房ですよね。
正直この機能、評判悪いです。私はカビ臭いのは嫌なので、このままオンで使おうと思っていますが...室温も湿度も、しっかり上がります。
それにしても、もう少し電力絞れなかったんでしょうか...いろいろ説明に苦労しているようですが。
まとめ
というわけで、今回は室外機の置き場所が狭かった、ということから、室外機がコンパクトな機種を選んだのですが、結果は失敗。湿度70%前後をキープしてくれるエオリアさんには「うるおいを大事にするエアコン」の称号を差し上げたいと思います。この夏、どんなふうになるのやら。
こうして比べてみて、あらためて、ダイキンのベーシック機は良くできている、ということがわかりました。
最後にダイキンのページより。梅雨時の部屋干しは、除湿器併用がおすすめとのこと。エアコン除湿と除湿器除湿のダブルとは、ちょっと思いつきませんでしたが、なるほど!と思いました。今度やってみよう。
梅雨の困りごとと解決法 | 空気の困りごとラボ | ダイキン工業株式会社
(以下宣伝)アマゾンでエアコンを買うと、工事をどうするかが悩みどころですね。
(こっちは選ばないことをお勧めしますが、比較のため...この数千円をケチったことを大後悔)
(補足)2年後どうなったか
いろいろ試して、デメリットについては下記対策をしています。
- 消費電力の絞り込みが甘い(約250Wまで) →「しずか」ボタンで絞れる
- 除湿が弱い →根本的な対策はないが、リモコン裏モードで「冷房:-2」にする
- 停止した後の内部クリーン運転が長い(約90分)→適当なところで止める
- 内部クリーン運転中の消費電力が大きい(315W)→内部クリーン暖房は設定でオフにする
- 内部クリーン運転中は室内機が暖かくなる(39度くらい)→同上
追加のデメリットと、対策は下記の通り
- 時々運転できなくなったりする →主電源のOFF・ON(停止してからコンセント抜いて、また差す)
- 除湿モードが弱すぎてあきれる →「除湿」ボタンは決して押さないようにする。「冷房」の方が何倍もマシ
- リモコンの電池交換すると、裏モード設定が消える →面倒だが再度設定する
というわけで、まぁなんとか我慢して使えるレベルになっています。
こうして書いている今現在、外気温度 32.8度、湿度 72%に対して、設定温度 27.5度で、室温 26.3度、湿度 64%。この機種だとこれが限界...仕方ないです。