shimiminの日記

IT系のメモ書きです。

エアコンの消費電力を細かく調べてみた!

 昨日のエントリでエアコンの消費電力がかなり揺れることに触れましたが、この際しっかり調べてみたくなりました。アマゾンが速攻で測定デバイスを届けてくれたので、さっそく観察。

これで消費電力を測ります

 昨日も色々リンクしましたが、一番安くて便利そうなスイッチボットのこれ(SwitchBot プラグ)を選択。

届いた姿がこちら。安物感がなく、安心できそうな感じです。これなら燃えないかな。

f:id:shimimin:20200708215444j:plain

スイッチボット プラグ

設置した姿がこちら。設定は簡単でした。

f:id:shimimin:20200708215515j:plain

エアコンの消費電力を測るデバイスとして

で、スマホでちょいと設定してから専用アプリで見るとこんな風。

f:id:shimimin:20200708215643p:plain

アプリ画面

ただ、ここでついうっかりプラグのアイコンに触ると「カチッ」と言うリレーの音とともに、あっさり電源オフになってしまうので要注意です。慎重に、右上の歯車アイコンをタップ。

f:id:shimimin:20200708215805p:plain

設定画面に「消費電力量(kWh)」がある

で、消費電力量自体はこんな感じで、15秒間隔で表示されます。

f:id:shimimin:20200708220133p:plain

消費電力量の表示

毎日の変化などをグラフにしてくれるらしい。なかなか便利ですね。

それでは、さっそく本題に移ります。

ダイキン S22WTES の消費電力を調べる

 測定の準備が整いましたので、順次調べていきます。なお本日は外気温27度、室温28度。設置環境は一戸建ての2F北側、6畳。設定温度は28度で、冷房運転です(とはいえ、除湿が目的ですが)。外気温が高くないので、冷房負荷はとても軽いはず。

 まずは結果から。

  1. 運転ボタンを押す前(待機電力) → 約 0.4W
  2. 運転開始から1分ほどたって、冷気がワーッと噴き出している状態 → 約400W
  3. 設定温度に達して、微風の時 → 約100W
  4. 設定温度より冷えて、止まりかけの時 → 約15W
  5. 設定温度より冷えて、止まっているとき → 約4W
  6. 再び送風を開始した時 → 約200W

 ここで、こちらの機種のスペックを思い出してみると、冷房の定格出力が 2.2kW、定格消費電力が 570W、冷房能力の幅は0.6~2.8kWで、消費電力の幅が 125~820W なのでした。

 実際に測ってみると、消費電力の幅はカタログよりも広いことがわかります。

  • 運転中でも、完全に停止しているときは、ほとんど電気を食わない。
  • 最小出力である0.6kW冷房時=125W消費の他に、より低電力のモードがありそう。コンプレッサが止まって室内ファンだけ回っているとか?
  • もともとの室温が設定温度に近ければ、立ち上がり時も最大出力になることはない(あたりまえですね)

 つけっぱなしにしている場合は以下を繰り返すので、大体100~200Wで動くようです。

  1. 停止 (4W)
  2. 室温上昇、冷房オン(200W)
  3. 室温がほぼ設定温度に到達、微風(100W)
  4. ほぼ停止(15W)
  5. 1に戻る

 こういう細かい制御をしているということを、エアコンメーカーはもうすこし宣伝すればいいのにな、と思いました。

もうちょい暑い日に追記

 さて、気温34度、薄曇りではどうなるでしょうか。設定温度は28度のままで、測定開始です。

 運転を開始して、いつものように涼しくなるものの...ちっとも「停止」にならないですね。あれ?

 消費電力を見ていると、140Wくらいに絞ったと思ったら、また175Wとかに増えたりして、一定の範囲内で推移しています。風量は微風のままで、外からは全くわかりませんが、こんなに細かく制御が入っているんですね。

 結局、暑い日は「停止」モードに入らず、微風のまま消費電力が細かく変わる、ということがわかりました。つまり、運転モードは下記一択。ただし、外気温が低かったときは 100Wで維持できていたのに、暑いときは余計に電気を消費するようです。

  • 室温維持、微風(140W~190W)

 うちは省エネ等級4をとったので、昔の家よりは断熱性能が良いはずなのですが、それでも気温差6度を維持するためには、継続的にこれくらいの電力を投入しないとダメみたいです。ちょっと日和って(コストダウンのために)アルミ・樹脂複合サッシにしたのがマズかったかな?やはり樹脂サッシにしておくべきだったか...

 試しに、設定温度を29度にしてみたら、停止してくれました。室内ファンがとまり、1分くらいは15Wに、その後4Wにダウン。この辺のシーケンスは前と同じですね。5分くらい待って、再び設定温度を28度に。運転再開!270Wで立ち上がって、その後190W、160W、140W、130W、140W...こまめに制御がかかりながら室温維持。こういう動きなんですね。

 さて、次は猛暑日に実験してみようと思います。最近は東京でも40度が珍しくなくなってますからね。

外気温35度

 ということで、本格的な夏が来ました。外気温35度、晴れ。設定温度28度です。前回から想像できることは、「停止しない」ということですが、やっぱり停止しないですね...消費電力も全体的に大きめになりました。

  • 室温 27.5度、中くらいの風量 350W
  • 弱風 280-300W
  • 微風 200-220W
  • ほとんどわからないくらいの超微風 130-150W
  • 一見するとほとんど止まっているような状態 100W

 実は設定温度28度だと、「微風」より弱くはなりませんでした。そもそも「微風」であっても、前回計測時より消費電力が大きくなっています。

 設定温度を29度とか30度にあげてやって、「超微風」「ほとんど停止」状態にしてみましたが、それでも外気温が28度くらいだった時の「停止(4W)」とか「ほぼ停止(15W)」のモードにはなりませんでした。

 外気温が高いと、止まっているように見えても100W消費している、というのは驚きです。計測してみるものですね。暑い日は扇風機を併用して、設定温度を高めにすれば節電になると思っていましたが、室内機のファンが止まっても、室外機のファンは回っているのかもしれません。

天気の影響も

 これまで、消費電力は外気温にかなり左右される、ということを説明してきました。が、もちろん天気にも左右されます。いつまでも暑い、2020年9月の東京での実績がこちら。

f:id:shimimin:20200912125653p:plain

天気とエアコン消費電力の関係

 ここでオレンジマークが晴天の日。黄色い稲妻を付けた日は、雷雨があった日です。最高気温は気象庁の発表した数値なので、私の自宅とは若干違うかもしれませんが、やはり雨だったり雷雨だったりがあると、結構消費電力が下がるようです。雨の日に、「蒸し暑いな」と思ったら、エアコンをつけても、晴れの日ほど電気を食わないようですね。

まとめ

 わかったことをまとめます。使用環境をおさらいすると、以下の通り。

  • 計測対象:ダイキン S22WTES (2019モデル) APF5.8 期間消費電力量 717kWh、定格消費電力 570W、定格冷房能力 2.2kW
  • 設置場所:木造一戸建て(省エネ等級4)2階北側、6畳

で、本当に当たり前な結論ですが、「エアコンの消費電力を決めるのは内外の温度差である」ってことでした。もうそれだけなんですけど、もうちょい詳しく書くと以下のような感じになります。

  • 起動後の消費電力が一番大きいが、大きさは外気温次第。温度差が1~2度なら 200W弱、5度なら 400W。
  • 室温維持の微風状態でも、内外の温度差によって消費電力が100W~200Wくらいでこまめに変動する。
  • 設定室温になって完全停止していれば、消費電力は4Wまで下がる。が、外気温が高い場合はそこまで下がらない場合もある。

なので、外が暑いときは設定温度を少し上げてやり、停止時間を多くすることで節電につながりそうです。扇風機併用、というやつでしょうか。

(番外編)除湿運転はどうなるか?

 そういえば、この機種は一応「ドライ」運転もできるのでした。安いエアコンは「ドライ」と「弱冷房」の区別がないと聞きましたが、消費電力的にはどんなものなのでしょうか。さっそく計測してみます。

 起動時の環境は、外気温27度 室温27度 湿度74%でした。風量自動設定。

  • 電源ONしてすぐ 180W
  • 冷風が出はじめてからしばらく 240W~280W (風量 弱相当)
  • 風量が微風に切り替わったあと 120W~150W

30分ほど運転すると、室温26度 湿度63%となりました。若干寒くなったので停止。やはり「ドライ運転=設定温度なしで弱冷房=室温が下がっても停止せず動き続ける」というもののようです。

 消費電力的には、「室温が下がると停止」する冷房運転の方が小さくなると予想できます。

(補足)ダイキンさんの実験レポート

 エアコンはつけっぱなしの方が電気を食わないか?について、面白いレポートがありました。さすがはメーカーさんです。

参考資料 第5回『ダイキン 空気のお悩み調査隊がゆく!』エアコンをつけっぱなしにするのとこまめに入り切りするのでは、どちらの電気代が安くなるの? | ニュースリリース | ダイキン工業株式会社

 この資料の結論は、タイトルの通りで、条件を絞れば(ON/OFFの間隔が頻繁になるくらいならば)つけっぱなしが得、とのこと。

8月の猛暑日・大阪の築10年・南向きマンション2部屋での検証結果

日中30分の外出ならエアコンは切るより「つけっぱなし」がお得でした!

時間に関係なくいつでも「つけっぱなし」にするのは逆効果

 ただ、これは世の中の「つけっぱなしが得だろう」という考えに迎合した表現になっています。買い物や外食など、外出する時間が30分を超える場合は、エアコンを切ったほうが得、という結果も同時に載っているのです。

 こちらで実験に使われたエアコンは AN40TRP、冷房能力 4kW、定格消費電力 790W、期間消費電力量 1051kWh(冷房:305kWh 暖房:746kWh)のものです。能力が大きいので起動するときの電力も大きく、グラフを見ると、ピークで 1160W 消費しています。つけっぱなしの場合は、ピークが840Wに抑えられますが、設定温度維持のために240W消費しています。

 設置したマンションは2006年の建築で、真夏で最高気温36度になった日で実験しています。運転時間は朝9時から夜11時までの14時間。これで、つけっぱなしにした場合の消費電力量は 5.7kWhとあるので、平均消費電力は407Wです。定格消費電力のほぼ半分ですね。なんとなく相場がわかってきた感じです。

 ちなみに、生活パターンを想定して外出時にエアコン切ったときの消費電力量は 4.4kWh だったそう。外出して30分以内に戻ってくるならつけっぱなし、それより長くなるなら電源オフ、することにします。