shimiminの日記

IT系のメモ書きです。

「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」

話題の本を読んでみました。が、なんだかモヤモヤします。夢も希望もない感じがしたので、なぜそんな気分になったのか考えてみます。

 

目立たないこと至上主義

この本によると、今どきの若者は「自己肯定感が低く、とにかく自分に自信がない、だから目立たずに埋もれていたい」のだそうです。まぁ、埋もれているのは楽ですよね。

でも、そんな感じでそこそこ生きていける世界って、かなり恵まれているような気がします。

果たして今後も、そんなぬるま湯的都合の良い世界が続いていくのでしょうか...他人事ながら、心配になりました。今のままゆっくりと衰退が続くガラパゴスが維持されるならセーフかもしれません。が、海外では全く通じませんから、ちょっと留学でもして、グローバルな風に吹かれてみたほうが生命力はアップするに違いありません。

ただ、そういう前向きな姿勢を持つことを「そっち系」というらしいです。ふむ。

そっち系はどこにいる?

この本を読むと、若者の8割くらいは「目立たないことが重要」という考え方をしているようなんですが、正規分布の上下のテールの上のほう...「そっち系」の人たちはどこにいるのでしょうか。想像するに、「そっち系」の若者は希少種であって、下記のような属性を持っていそうです。

  • 自分を肯定している。
  • 目立ってしまうことを恐れない。
  • 自分なりの考えや意見がある。
  • 自分と違う意見や価値観を冷静に受け止めて分析できる。
  • 競争は別に嫌いではない

こういう人材がどこにいるのかな?と考えたとき、ひょっとするとスポーツの世界に多少残っているのかなと思いました。今どきは部活ガチ勢とでもいうのかもしれませんが、まだ「競争」が残っているところは貴重なようです。スポーツ以外でいえば、ロボコンや科学の甲子園、模擬国連などでしょうか。

青田買いされ高給で囲われる人材と、その他大勢

競争の場に身を置き、自己研鑽によって成長することを身をもって知っている人材と、ただ集団の中に身を隠してきた人材では、実力も伸びしろも、相当に違いそうです。社会人としてのキャリアパスも変わってくるでしょう。

この本を読んでいると、そういう格差が浮き上がってくる気がして、気が重いです。どんな分野でも良いので、少しでも「そっち系」に脱皮してくれる若者が増えてほしい...そうでないと、社会が進歩しない気がします。

海外の若者はまだ元気ですから、彼らの社会は進歩します。そうなると、日本がどんどん取り残されることになるのでしょう。(なんたって、まだFaxを使っているくらいですからね!)

ああ...だから夢も希望もない気分になったのかも!

理由が分かっても、ちっともスッキリしませんでしたが...ううむ。

Get out of your comfort zone!

あまりにも暗くなったので、前を向くために思い出したのがこの言葉。私は別にMBAホルダーではありませんが、この言葉は好きです。comfort zone の定義は人それぞれだと思いますし、一般には「まぁまぁそこそこやれていて、まぁまぁ給料もよくて、ちょうどいい感じ」の環境のことなのでしょうから、「そこから出ろ!」というのは結構インパクトがあります。

ちょうど、冬の寒い朝に「はやく布団から出なさい!」と言われているような感覚。

迷ったら困難な道を選べ、というのに近いのかもしれません。

もちろん、布団から出る前にいろいろ考えるわけです。準備もします。で、まぁまぁ勝てそうという見込みをもって、えいやっと布団を剥ぐ。そうやって成長していくのが、人生の醍醐味と言えるのでしょう。

たくさんの若者が、どんどん成長していけるような社会にしたいなと思います。そういう方向に、おっさんの一員として微力を尽くしたいと思いました。成長こそ正義、です。