自動車事故対策機構(NASVA)という国の機関が、実際にクルマをぶつけて安全性を評価してくれておりまして(JNCAP)、結果が簡単に検索できます。
一般には、★4つとか、★5つとかで比べるところですが、星が多くても実は衝突安全性が低い例があります。予防安全(自動ブレーキとかレーンキープとか)で点を稼ぐ例があるのです。
ここでは、売れ筋の軽自動車の「衝突安全性能だけ」に着目して、比較してみます。
結果一覧!
優秀なところは太字に、駄目なところは赤字にしています。
JNCAP 結果一覧 | ||||||||||
2023 | 2023 | 2018 | 2020 | 2022 | 2022 | 2023 | 2020 | 2020 | 2021 | |
メーカー | ホンダ | スズキ | スズキ | スズキ | スズキ | ダイハツ | ダイハツ | 日産 | 三菱 | |
車種 | N-BOX | スペーシア | ジムニー | ハスラー | ワゴンR スマイル |
ムーブ キャンバス |
タント | タフト | デイズ | eK スペース |
フルラップ前面(運転席) | 4 | 3 | 4 | 3 | 3 | 2 | 3 | 4 | 5 | 4 |
フルラップ前面(助手席) | 5 | 5 | 5 | 5 | 4 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
オフセット前面(運転席) | 5 | 3 | 4 | 4 | 4 | 5 | 4 | 5 | 4 | 4 |
オフセット前面(後席) | 4 | 3 | 4 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 5 | 4 |
側面(運転席) | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
後面衝突頚部保護(運転席) | 4 | 4 | 5 | 5 | 5 | 4 | 5 | 3 | 5 | 5 |
後面衝突頚部保護(助手席) | 4 | 4 | 5 | 5 | 5 | 4 | 5 | 3 | 5 | 5 |
歩行者保護(頭部) |
5 | 3 | 3 | 4 | 3 | 4 | 4 | 4 | 5 | 4 |
歩行者保護(脚部) | 5 | 5 | 4 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
Level 合計 | 41 | 35 | 39 | 39 | 37 | 37 | 39 | 37 | 44 | 41 |
一番得点が高かったのは日産デイズ。次点が三菱 eKスペースとホンダ N-BOX でした。やはり軽専門の会社よりも頑丈に作っているのかな、という結果です。特にデイズは、フルラップ前面衝突(運転席)と、オフセット前面衝突(後席)の2項目で唯一の Level 5。これは、普通車にも引けを取らない結果です。これは覚えておきたい。
一方、得点が一番低かったのはスズキスペーシア。これは星で見ると★4つなので、予防安全の結果でかさ上げされていることになります。特にオフセット前面衝突(運転席)のレベルが3というのは、最低の結果...ですが、項目別にみるともっと悪いものがありました。ダイハツのムーブキャンバスだけが、フルラップ前面衝突(運転席)のレベルが2!なのです。これはちょっと怖い結果です。メーカーさん、頑張ってください。
というわけで
クルマについては、「新しければ安全」という感じで考えておりましたが、必ずしもこの法則が当てはまらないことに気が付いてしまいました。スズキの中ではジムニーやハスラー、ダイハツならタントが比較的安全なようです。
豆知識
軽自動車の後部座席は、シートベルトが前席に比べてショボい場合が多いので、注意が必要です。
前席には「プリテンショナー+フォースリミッター」がついていて、衝突の際にベルトをピンと張って衝撃を緩めると同時に、過大な力がかからないようなシートベルトが装備されているのですが、後席はただの「3点ELR式シートベルト」という原始的なものになっている場合が多いです。
「軽自動車の後部座席は前席より危ない場合が多い」ということも覚えておきたいところです。
スピードを控えて、ご安全に。