shimiminの日記

IT系のメモ書きです。

受験の季節に、中高一貫校について考えてみる

 1月は共通テストですが、首都圏の多くの小学6年生にとっては2月1日が気になるところですね。早い人では12月から試験を受けてきて、1月は総仕上げの時期かもしれません。

 中高一貫教育の良いところは、なんといっても高校入試がないこと。内申点など気にせず、のびのびできますね。6年間の履修内容を5年間で終わらせてしまって、高3はほとんど復習&入試演習とし、現役で大学進学をめざすカリキュラムになっている学校も多いです。

 今では公立の中高一貫中等教育学校)も多いですから、小学生にとって「中学受験」は昔よりも一般的になってきているような気がします。中高一貫校の選び方について、ちょっと考えてみましょう。

現役での大学進学にこだわる場合

 特に私学を選ぶ場合、高い授業料を払うのだから是非現役で大学進学してほしい、というのが親の願いだと思います。ところが、学校が掲げる「進学実績」では浪人生の数も一緒になっている場合が多く、よくわかりません。さらに、国公立と私立大学の併願者が両方合格したらダブルカウントになっていたりして、何が何やら。

 と思っていたら、「進学率」に重きを置いたランキングがありました。

www.asahi.com

 生徒の7割が現役で国公立大学に進学するなんてすごいな!と思って、トップの諫早高校を調べてみると、旧制中学の流れを汲む伝統校でノーベル賞まで出ているという...すごい学校でした。

www.minkou.jp

 元記事にもありますが、「全国の国公立大学」でランキングを作ると首都圏の学校がベスト50にも入らない、というのは面白いところです。

とは言え、それでは参考にならないですよね。どうするか。

難関大学への進学率にこだわる場合

 同じ方が作られているランキングに、「難関10国立大学ランキング」とか「早慶上理ランキング」とか「関関同立ランキング」がありました。この辺も、見ていると結構面白いです。

www.asahi.com

 難関10国立大学でみると、よく「進学校」と称される、日能研などの偏差値で上の方に並ぶ学校がピックアップされてきます。灘高校の異次元ぶり...ほぼ半数が難関大学に現役で入る...や、筑駒・開成の東大偏重ぶりに目が行きますが、上位層はともかく、ランキングの真ん中あたりを眺めてみても学校のカラーが出るような気がします。

 ベスト50の内訳は、私学が20、国立が3、公立が27となっています。調査に漏れている学校もあると思いますが、ザックリ言って卒業生の2割が現役で難関10大学に進んでいれば、立派な進学校だと言えそうです。

寮にこだわる場合

 進学校の中には、寮のある学校もありますね。首都圏には少ないですが、九州だと久留米附設やラサール、楠隼、中国地方だと岡山白陵、四国だと愛光、近畿に西大和、北海道に北嶺、函館ラサールなど。

 寮暮らしは基本的に不自由ですが、その不自由を共有体験することで良い友達ができるとか、地元以外の友人が増えるとか、そもそも親元から離れているので自立するとか、メリットはあります。親が転勤族でも転校しなくて済むとか。

 寮を選ぶときのポイントを考えてみると、3つくらいありそうです。

  • スタッフの人数など、学校の支援体制は十分か?
  • 自由と規律のバランスはどうか?
  • 学年定員に対して寮生の数はどうか?

順に考えてみます。

 まず、学校の支援体制について。思春期の若者を多数かかえる、寮の運営はとても難しい事業です。舎監に丸投げ、では到底うまく行きません。十分に大人の目が行き届いている環境があると安心です。見学などに行くと、設備が新しいか?というところに目が行きがちですが、チェックしたいのは「スタッフ(舎監さんや寮事務員、寮教諭)の人数」です。どれだけ手をかけているか?というところから、学校の寮に対する考え方(重視しているか、仕方なく運営しているのか)がわかります。

 次が自由度です。監獄じゃないのですから、週末に映画を見に行くとか、友達と買い物に出かけるなど、周囲に出るときにどれだけ自由が利くのか?と言う点は重要。ある学校は「午前中は自習時間」と称して、午後しか街に繰り出せなかったりするようです。あるいは、そもそも山奥にあったりして、徒歩圏に「外の社会」がない場合もありそう。大体半径1km、徒歩圏内にスーパーやラーメン屋、本屋などがあると良いですね。例えば鹿児島ラ・サールは徒歩圏内にイオン、トライアル、マンガ倉庫があって寮生の憩いの場になっているようです。

 規律面では、スマホは禁止なのか、持ち込みルールがあるのか?共通のパソコンは使えるのか?台数は十分か?塾通いが必要になったときに門限の融通が利くのか?などのポイントもあります。ルールが学校側から一方的に降ってくるのか、生徒と議論する余地があるのか、というあたりから、寮生活の住み心地が推し量れそうです。「スマホ禁止」と言いつつ、実際には全くチェックしておらず、寮生でもスマホを持つのが当然になっている学校もあるので、掲示板などで調べるのが良さそう。

 最後に、1学年における寮生の割合が結構重要です。寮に対する学校の考え方が反映されるところでもあります。全寮制なのか、6割が寮生なのか、3割なのか、1割なのかに応じて、同級生との接し方や、寮生の立ち位置が変わってきます。全寮制は、環境が同じなのでなじみやすいと思いますが、地元との交流が少なくなるのが難点。一方、寮生が少ないと自宅生との環境の差が気になってきます(自宅生はスマホもゲームも門限も自由が利くので)。寮生に配慮する学校では、三者面談を土曜日にやってくれたりしますが、そうでないところは平日のみだったりします。また、インフルエンザなどの感染症にかかったときに、有無を言わさずに帰省させる(=寮から追い出す)学校があるので注意しましょう。寮内にインフル隔離部屋を用意しているところは安心です。

まとめ

 ということで、いくつか観点別に考えてきました。学校の良しあしを判断するのは難しいですが、そうはいっても貴重な6年間を託すのですから、十分に情報を収集して、納得のいく学校選びをしたいものですね。

 個人的には、進学実績ばかりを強調する学校(現役東大合格〇名!みたいなところ)よりも、個々の生徒に人生の目的を考えさせるとか、部活が活発だったり、模擬国連とか科学の甲子園とかで他の学校と交流ができるような学校が好みです。

 昨今はコロナでなかなか難しくなりましたが、体育祭や文化祭などの行事に参加してみるとか、学校主催の見学会に参加してみることで、かなり様子はつかめると思います。生徒さんに説明してもらうとなおGoodです。

 皆さんにあった学校が見つかりますように。

 

スマホ脳の予防

アンデシュ・ハンセンという人の「スマホ脳」という本が流行っているとのこと。

この手のネタは好きなので、ポチリました。

で、楽しく読んだわけですが、もう何年も前からいろんな方が警告しているテーマなので、改めてメモ。スマホは怖い、です。

スマホが脳を破壊する

そういえば、「脳トレ」で有名な東北大学の川島教授も新刊を出されていました。2018年には「学力を破壊する」だったのですが、今はもう一歩踏み込んで「脳を破壊する」となっています。スマホを使う生徒は3年間、脳の成長が見られなかったという恐ろしい結果が出ています。

(川島教授の記事はこちら)

toyokeizai.net

が、このあたりの事実は以前から「デジタル認知症」の研究でわかっているのです。医学的に「やばいよ」というデータが集まってきているのに世の中がちっとも「子供はスマホ禁止ね」という方向に進まないので、危機感が高まっているのだと推察。

被害者が気づいてない場合も多いと思います。知らないうちに認知症になる、これがスマホ認知症、デジタル認知症の怖さ。

(以前の記事はこちら)

shimimin.hatenablog.com

とはいえ、中学生や高校生の子供から「スマホがないとクラスで友人ができない」と言われたら、なかなか「買わない」という選択肢を強制しにくいのも事実ですよね...ではどうするか。

寮に入れてしまうという大技

いきなりアサッテの方角になりますが、こういう方法もある、ということで。

中高一貫などの進学校の中には、寮を備えるところがあり、スマホ禁止になっている場合が多いようです。中には禁止をうたっているだけでほとんどチェックせず、生徒は普通に使っている場合もあるので、事前に良く情報を仕入れておく必要があります。

今どきスマホ禁止なんて無理だろう、と思っていましたが、鹿児島の名門、ラサールでは本当に禁止なんだそうです。(在校生にも確かめましたが、本当です)

style.nikkei.com

夏休みとか冬休みには自宅に帰ってきて、そこでスマホをいじるんだそうですが、寮には持ち込まないというのが徹底されている。つまり、寮の友達も持っていないので、持っていない者同士で何ら困らない、と。(自宅生は普通にスマホを毎日使ってしまうそうです)

ただし、他の学校の生徒と部活とかで交流した時に、連絡先を交換できないのが困りごとだ、とも。

そうはいっても、ラサールって簡単には入れないんですよね...

スマホを遠ざける

手軽な手法ということで、「遠ざける」というのも手ですよね。

殆どの一般受験生にとっても、「スマホ断ち」というものの重要性(と、実行の難しさ)は認識されているようです。あれやこれや、涙ぐましい努力がなされている模様。

czemi.benesse.ne.jp

でも、学力が伸びないどころか、脳が破壊されて、しまいには認知症になってしまうなんて言われたら、やるしかないですよね。(大人もやるべき...がんばろう)

Kindleアプリ又は楽天マガジンアプリを入れる

スマホを暇つぶしの手段として、ゲームしたり Webサーフィンしたりするとスマホ脳になるので、やはりKindleアプリやら、楽天マガジンアプリやらを入れて読書するしかないですかね。

脳は落ち着くけど、やはりドーパミンレベルはどうしてもtwitterとかインスタとか、各種Webサーフィン&猿クリックに比べると弱いですが...マンガならOKか。脳を活性化するように工夫しましょう。

なんでもすぐグーグル先生に聞いたりしない

スマホ脳の特徴である「集中力の欠如」「短期記憶の劣化」は、自分の脳みそを使わないことによる血流低下が原因とのことなので、グーグルさんに聞く前に、まずちょっと考えてみる、仮説を立ててみる、というような行動様式で予防できる、かな?

まとめ

ということで、スマホの使い過ぎは脳が壊れて認知症になることが各種文献にて指摘されています。実例も多数。スマホはそういう危険物だと思って使い方を工夫し、スマホ脳を予防しましょう。特に幼稚園とか小学生には絶対に使わせないようにすべきだと思います。

参考

認知症危険度」についての論文を見つけたのでリンクしておきます。

この中にある30問アンケート、いくつ〇が付きますか?20個以上ついたら「危険」レベルだそうですよ。私は10個付きました。危険度:中...気を付けよう。

https://core.ac.uk/download/pdf/231109661.pdf

WiFiの QoS 設定(WMM設定)にやられた

コロナで在宅勤務が増えてきて、なんとなくネットが遅いような気がする...ということもあり、せっかくだからドライバの更新位しておくか...というところからケチが付き始め、結構ハマったのでメモしておきます。

結論を先に書くと「ドライバの設定は下手にいじらないほうがいいよ」ということなのですが...まさか QoS disable でリンク速度が 54Mbps に制限されるとは。

顛末はこちら。

ケチの付き始め

何となく無線デバイスの設定が気になる。遅い気がする。今にして思えば気のせいだったような気がしますが、つい、「デバイスのプロパティ」から「ドライバーの更新(P)」を押してしまったのがケチの付き始め。

シレっと入ったドライバーでしたが、これが動かない。動かないドライバーが何事もなくインストールされてしまうというのがWindowsの怖いところですが、もうこの業界長いんだからそれくらい知ってたはずなのに...

知っててもハマるのが、Windowsですね。

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TamoSoftドライバー

いや、入れる前に TamoSoft って何だろうって調べたんですよ。そしたら、機器ベンダーだったので安心してしまったのです。が、このドライバーは動かない。で、入れなおしたわけです。純正に。

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純正ドライバーで元に戻す

2017年に戻っちゃいましたが、無事動くようになりました。で、このままにしておけばよいのに、つい「詳細設定」タブのもろもろをいじりたくなり。ちょっとググって見つけた「QoSをオフにすると安定するよ」というのを鵜呑みして、"Not Support QoS"に設定変更。

なんか遅くない?

で、しばらく気づかずに使っていたのですが、「なんかネット遅い?」という気付きが。グーグルさんのスピードテストで、下りが20Mbpsちょい、上りが 30Mbps ちょい。うちは Nuro光なので、100Mbpsを超えるのが当たり前だと思っていまして、なんか遅いなと。全体的に在宅勤務が増えているのかな?と暢気に構えておりました。

が、WiFi越しに繋がっているNASにでかいファイルをコピーしたら、やっぱり 20Mbpsしか出ない。こらあかん、何かがおかしい。

早速リンク速度を見てみると、スマホでは 433Mbps とかで繋がるのに、なぜかPCだと 200Mbps 程度。しかも基地局で見ると 54Mbps リンクになっている!なんじゃこりゃー!

まずは基地局を再起動しましたが、変わらず。なんでだー、とかなり悩んで、30分くらい唸って、思い出したのです。最近QoSの設定を変えたことを。

戻してみた。

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QoS設定を Auto に

そしたら、基地局のリンク速度が 900Mbps超え!WiFiの状態で見えるデバイス側のリンク速度も 1.3Gbpsとなりました。キター!

グーグルさんのスピードテストも、まともな値に復活!

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スピードテスト結果

治ったー!

まとめ

QoSというのは、サポートしてなければオラオラ的に使いまくれるのかとばかり思っていましたが、なんとWiFiの規格で、QoSに対応してないやつは 54Mbps に制限されると決まってました!そりゃ安定するわ!遅いからね。

また 802.11n および 802.11ac のデータ レートを取得するには WMM が必要です。 つまり、WMM が無効にされているクライアント、または非 WMM のクライアントの場合、使用可能な最大データ レートは 54 Mbps です

www.cisco.com

QoSでちゃんと「ベストエフォートですよ」と宣言しないと、とてつもなく遅い速度になってしまう。考えてみれば正しいですよね。オラオラ的な奴には、リソースを自由にさせてはいけない。素晴らしいです...が、やられました。勉強になりました。

なので、まとめると「今どきの基地局には WMMオンでつなぎましょう」ということになりました。気を付けよう。

 

オイルフリーヒーターが来た

寒くなってきました。外気温が下がってくると、エアコン暖房の霜取り運転が気になります。ぬくぬくと温かい、オイルヒーターを一度味わうとなかなか捨てがたいものがあります。が、オイルヒーターは重いし...

と思ったら、最近は「オイルフリーヒーター」というのがあるらしい。なんだか良さそうじゃない?ということでポチリました。公式はこちら。

www.dimplex.jp

使い勝手はオイルヒーター以上かも

ということでやってきました、Dimplex B01。一番安いベーシックモデルです。

こんな形で、机のわきにちょこんと置けます。やはり軽量(8kg)というのが嬉しいところで、邪魔になったらすぐ動かせるし、シーズンオフの時に押し入れにしまうのも簡単。

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軽量、コンパクト

公式にも謳われていますが、もう一つのメリットは立ち上がりが早いこと。オイルを温める必要がないので、スイッチオンですぐ対流を感じます。(逆に言えば、消したらすぐ冷めちゃいますけどね...オイルヒーターのふわっとした余熱が好きな方には向いていないかもしれません)

外から見ると、どうやら発熱体が3本。それぞれ400Wらしく、400W運転時は上の方だけ熱くなります。800Wで上と中央、1200Wで全体が熱くなるという感じ。表面温度はカタログによれば70度。ちょっと熱めですね。赤ちゃんとか小さいお子さんがいるご家庭は、ちょっと注意かもしれません。酷い火傷、にはならないと思いますが。

買ってからカタログ見てれば世話ないところですが、B04という中級機種であれば、表面温度は60度だったり、自動省エネ機能がついたりするので、そちらのほうが良かったかも...(とはいえ、値段も上がってきますが)

温度を測ってみた

さて、いつもの放射温度計(シンワ エフ・ポッケ)で放熱フィンの温度を測ってみました。(エフ・ポッケは安くておすすめです)

400Wで運転しているときのデータですが、800W だと半分から上が、1200Wだと全体が温まる、というだけで傾向は同じです。6枚フィンの両端が50度くらい、中央部が70度くらい。カタログどおりでした。

上面はしっかりとした上昇気流を感じます。オイルを使っていなくとも、オイルヒーターらしさを醸し出します。良い感じ。

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温度計測結果

電気代について

オイルヒーターは電気代が気になる、という記事があちこちあります。最大消費電力1.2kWですから、この出力でつけっぱなしにすれば、そりゃ高いだろうなぁと思います。が、これはオイルヒーターに限らず、電熱式のものはみんな同じ話ですね。効率を考えたら、エアコンが正義。

うちでは、オイルヒーターは寒い日に窓際に置いて、冷気が下りてこないようにする補助的な用途に使っています。それでも大抵 400Wでの運転ですね。高級機の省エネ運転がどんなものなのか興味ありますが、電気代だけ見ればエアコンにはかないません。

とはいえ、輻射熱のポカポカした感じは捨てがたいものがあります。

まとめと宣伝

1万円ちょいでオイルヒーターらしい暖房器具が買えるなんて、良い時代になったもんだなぁと思う次第です。特に、暖房なのにエアコンから涼しい風が出てくるような寒い日には、全力でおすすめします。

(なので、全力で宣伝↓)

やはりタイマーくらいついてたほうが良かったかなぁとか、省エネ運転気になるなぁとか、値段だけで選んだことをちょっと後悔...

他にもレビューがあるかなと思ったら、dimplexと言えば暖炉型が人気らしいです。

が、オイルフリーヒーターも良いですよ。

追記:デロンギ

オイルヒーターと言えばデロンギ、と思っていますが、「マルチダイナミックヒーター」という名前の、オイルレスモデルが2016年から売っているのですね。オイルを使わない、ということが伝わりにくい名前なので気づきませんでした。

デロンギさんの方が温度制御とか、賢くて使いやすいかもしれません。お値段はちょっと張りますが。こちらも考慮すればよかったかな...上の B04 より安い。メインの暖房にするならお勧めかもしれません。

追記2:ビックカメラ記事

売店さんのわかりやすい比較記事があったのでリンクしておきます。

https://www.biccamera.com/bc/i/topics/osusume_oilless_heater/index.jsp

まんがでわかるジョージ・オーウェル「1984年」

偉い人が、呼吸するように嘘をつく。正義はどこへ行ったのか...なんて悩みを抱えているのは、現代に生きる我々だけではありません。最近、ジョージ・オーウェルの名作「1984年」が見直されているようです。アマゾンでも堂々の一位。

とは言え、もっとサクッと内容を理解したいなぁということで、普段はあまり買わない「まんがでわかる」シリーズをポチリ。これが、思った以上に良かったのでご紹介。

とにかく恐ろしい

 「1984年」は、1949年に発表された小説。基本的にはスターリンが独裁体制維持のためにやっていたことがベースになっているらしい。ジョージ・オーウェル結核に苦しみながら、1950年に亡くなる前に書きあげたものとのこと。

 ここに書かれていることが「小説だよね」で済んでいれば良いのですが、「今って部分的に、こうなっているところあるんじゃない?」と思わせるところが怖いです。その、背筋がゾッとするところを、山形浩生さんの解説で「ああそうか」と理解できるのがありがたい。小説を読んでいるだけだったら、もしかしたら「小説だよね」で済ませていたかもしれなかったところを、深堀できます。

戯画や風刺は、ふつうは現実を誇張して見せるので、現実より派手だ。でも、すでに現実が「1984年」という風刺を凌駕している。インターネットとスマートフォンSNSのつくり出す監視社会のあり方は、すでに「1984年」に描かれたものを超えている。(p.43)

怖すぎです。

doublethink と newspeak

 作品にでてくる怖い概念が、二重思考と新語法。嫌すぎる、けど気を付けたいです。

  • 二重思考 矛盾をそのまま受け入れて両方とも正しいと信じること
  • 新語法 国民の語彙や思考の範囲を制限し、管理することを目的として考案された新しい言葉の用法

 これと一緒に出てくる怖いスローガンが下記3つ。

  • War is peace 戦争の継続こそが恒久平和である→階級社会の安定化
  • Freedom is slavery 自由に生きようとすると必ず抑圧されるので、隷従したほうが自由を謳歌できる
  • Ignorance is strength 真実を知ろうとすると矯正されるので、無知なままでいるほうが幸せである

やっぱり怖すぎる...小説の中で閉じているとは思えないので...

我々の生きる道

 「さいごに」で、山形さんが説いていることは、とても大事なことだなと思いました。

  • 情報の出所は確認し、転送する前によく考え、まちがいは訂正する
  • 安易な言論弾圧に加担しないこと→自分の中のビッグブラザーに気を付けろ!

ジョージ・オーウェルが述べているという、言論の自由の定義を(これも山形さんの解説から)引用して、記事を終わります。

言論の自由とは、自分が好きなことを言えるということではなく、他人が自分の気にくわないことを言っても我慢することなのだ(p.149)

 

 

 

エアコンの消費電力について(暖房編)

寒くなってきました。夏とともに、エアコンの電気代が気になる季節です。エアコンの消費電力は、夏よりも冬の方が大きくなるので、つけっぱなしは気になるところ...ですが、実はつけっぱなしの方が良いかもしれません。

エアコンの電気代はいくら?みたいなサイト(例えばこんな)を見ると、平均的に「1時間いくら」と書いてあることが多いですが...

www.smart-tech.co.jp

目安にはなるものの、あまりあてにならない気がするのでメモしておきます。

エアコン暖房の消費電力を測る

とりあえず、消費電力を測ります。夏にやったのと同じですね。

shimimin.hatenablog.com

今回は、夏に測った機種より一段大きい2.5kW機です。ダイキンの S25WTES、相変わらずベーシックなものですが。カタログによれば、期間消費電力量は 830kWh、1時間平均電気代は約22円です。

測定の前提条件はこんな感じ。

  • 東京、木造、省エネ等級4、2階西側 10畳
  • 外気温 8度
  • 設定温度 20度
  • 電源を入れたときの室温 12度
  • 風量自動運転

消費電力は室温上昇に伴って下がっていきます。グラフはこうなりました。(縦軸の単位は W です。kWhではないのでご注意)

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エアコンの消費電力と室温の関係

ちなみに、室温12度で電源を入れてから室温が18度に到達するまで約1時間、その後20度に到達するまで約1時間という感じでした。1時間いくら、で計算するのが難しいことがよくわかりますね。

スーパーざっくり計算をすれば、12度→18度の平均電力を700Wとすると、0.7kWhですから27円/kWhとして、最初の1時間が約19円。次の1時間(18度→20度)の平均電力を300Wとすると、約8円となります。

設定温度に到達すると、だいたい150Wくらいで安定しますので、1時間あたり約4円ということに。この機種の期間消費電力量をベースにした1時間あたり22円とは、ずいぶん違う結果になりました。

室温を維持するために必要な電力は、外気温と、部屋の保温(断熱)性能によって変わります。今回計測した環境では、外気温が4度になると、維持するための電力が約200Wになります。この場合、1時間当たりの電気代は5.4円ですね。

まとめ

以上でわかることをまとめます。

  • 期間消費電力量をベースにして1時間当たり電気代を平均しても、実際の電気代とは結構ズレる。
  • エアコンの消費電力を決めるのは、(1)外気温 (2)設定温度と室温の差 (3) 部屋の保温能力
  • 断熱性能の良い家なら、つけっぱなしの方が得になる可能性大

この先は詳しいところへ

ここまで調べておいて何ですが、この手の話はさんざん先達がいらっしゃるので、リンクを紹介しておしまいにしておきます。自分で測ると面白いですよ、ということで。

dorattara.blog.fc2.com

蛇足データ(参考)

このエアコンだけで、1か月いくらの電気代がかかったか?をメモしておきます。電気代の算出には、27円/kWhの単価を使います。

12月 58kWh = 1566円 30日間稼働したので、一日平均 52円。

1月  62kWh = 1674円 29日間稼働で、一日平均 58円。

家電一台で、と考えると結構高い気もしますが、カタログにあるような「1時間の電気代22円」ではない、ということがハッキリわかります。

HTBエナジーが結構安い

最近 Facebook の広告に出てきて興味を持ったHISでんきのHTBエナジー。私は楽天でんきのユーザなのですが、気になるので料金を比較してみます。

公式はこちら。

htb-energy.co.jp

概要

HTBエナジーの料金プランは大きく分けて二つ。

  1. 契約アンペア 20, 30, 40A 対象のウルトラプラン
  2. 契約アンペア 50, 60A 対象のプライムプラン

ウルトラプランは、基本料金も従量料金もTEPCO連動で、単価が一律2%~8%割引になります。プライムプランは、基本料金が半額で、単価が固定になります。

楽天でんきは基本料金が無料で、単価固定。HTBエナジーのプライムプランは、基本料金が半額で、単価が楽天でんきより3円/kwhほど、安く設定されています。

なので、ザックリ言えば、「あまり電気を使わない人は楽天押し。たくさん使う人はHTBエナジー押し」ということになるのですが、グラフで見てみましょう。

ウルトラ40

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ウルトラ40 東京プラン

 予想通りではありましたが、TEPCOマイナス8%という割引レベルは強力で、月使用量が150kWhを超えたあたりから450kWhあたりまで、HTBエナジーが一番安い料金となっています。特に300kWhの料金は、TEPCOより500円、東京ガスより400円、楽天より300円安いというダントツぶり。すごい。

 ただしウルトラプランは300kWh以上の単価が楽天より高いので、使用量が増えるにつれてだんだん差が詰まっていき、500kWh手前で価格競争力を失います。

プライム50

では、プライムの方に行きましょう。こちらも競争力あります。

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プライム50 東京プラン

 こちらは基本料金がかかるので、200kWhあたりまでは楽天より高くなりますが、従量部分の単価が安いため、250kWhで追いついた後は、もう独走状態で安いです。月の電気使用量が250kWhを超える場合は、乗り換えを検討しても良いかも。

まとめ

 というわけで、HTBエナジーの価格競争力は凄いなと思いました。我が家では今月の電気使用量が350kWhほどになりそうで、楽天からHTBに乗り換えるとポイントを考慮しても200円くらい安くなる勘定です。一方で、春秋の電気を使わないシーズンで見ると、300円くらい高くなる...一年通しで見ないと、まだどちらが安いかわからない状況でした。

 一年を通じてそれなりに電気を使うご家庭にとっては、HTBエナジー、結構魅力的かもしれませんね。